姿を現した悪魔
感情とは、実感してこそ湧き上がるものだ。
ネオベッツVRセンターに行って結果を知るまでは、案外呑気に構えてて、蓋を開けたら腫瘍でした!手術出来ません!残念!
悲しくて悔しくて、なんでこんな良い子が病魔に侵されなアカンのか理解出来なくて2日泣いた。
2日泣いたら、アホちゃうか、泣いてる場合ちゃうやろ!リリーの為に動いたれや!と言う気持ちが湧いてきて、病理検査の結果まで気になりながらもリリーの現状を受け入れるようになる。
頭の中では覚悟は決めている。
つもりだった。
ギブスを作って家に着いたら病院から着信。
「先程、入れ違いで腫瘍の結果がわかりました。リリーの腫瘍は骨肉腫ではなく、思った通り『形質細胞腫』でした。そこで、抗がん剤治療に入るのですが…」
さらりと説明する。
リリーの形質細胞腫にはメルファランと言う抗がん剤が効果あるらしい。
流れ作業のように伝えておかないといけない事を先生は言ってるだけ。
メルファランを飲んでいない子の平均寿命は220日。
メルファランを飲んで合った子の平均寿命は540日。
まさか、余命宣告されると思わなくて、しかも薬が効いても2年もたない?
こんなに元気なんに?ご飯いっぱい食べるのに?
ちょっと何言ってるかわかりません。
サンドウィッチマンのようなセリフが頭の中でグルグル回って途端に涙が止まらない。
覚悟したじゃないか!
みんないつかは死ぬんだよ。遅いか早いかなんだよ!
でもでも、だって…である。
頭の中で一人問答。
あの時、センターで完治しない、と言われてるのに、私は何を期待したんや!
良性でも悪さをするって言われたやん!
いい加減腹くくれよ!
今から一瞬一秒リリーを大事にしたれや!
あくまでも平均寿命であって、みんながみんなそうじゃなく、長生きしてる子も絶対いてる!
だから諦めるな私!
リリーは諦めてないぞ!
540日なんか鼻で笑ってやれ!
1日でも長く生きてやる!長く生かしてやる!
沢山のお友達が励ましてくれた。
そうだ、リリーは西洋医学も東洋医学も雲の上の存在達も操る事が出来る男だ!
だから負けない!絶対負けない!
そうしてリリーの闘病と言う冒険が幕を開けた。
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